2型糖尿病とは?

2型糖尿病は、インスリンの分泌が減ること、そしてインスリンの効きが悪くなること(インスリン抵抗性)の両方が重なって発症します。日本人の糖尿病の約95%を占めるタイプであることから、一般的に「糖尿病」と言う場合は、この2型糖尿病を指すことが多いです。
遺伝的な体質に食べ過ぎや運動不足などの生活習慣が加わることで起こるため、40歳以降に多く見られます。しかし、近年は10代や20代での発症も報告されているため、「糖尿病=中高年がなる病気」というイメージは改めなくてはなりません。
2型糖尿病が起こる仕組み
インスリンの分泌が追いつかなくなる
日本人は元々インスリンの分泌量が欧米人と比べて少ない傾向があります。そこに加齢や膵臓への長年の負担が加わると、分泌量がさらに低下していきます。食事で血糖値が上がっても、それを下げるだけのインスリンが十分に出せなくなるのが、2型糖尿病の始まりです。
インスリンが効きにくくなる
内臓脂肪の蓄積や運動不足は、インスリンの効き目を鈍らせます。インスリンは分泌されていても、筋肉や肝臓がブドウ糖をうまく取り込めなくなるため、血糖値が下がりにくくなります。これを「インスリン抵抗性」と呼びます。肥満がなくても、筋肉量が少ない方はインスリン抵抗性が高まりやすい傾向があります。
食習慣の影響は幼少期から
近年、小児肥満の増加に伴い、10代で2型糖尿病を発症するケースが増えています。子供の頃からの食習慣が将来の発症リスクに直結するため、家庭での食育も予防の重要な鍵になります。以下のような習慣が続いている場合は、ご家庭内で早めに改善するようにしましょう。
- カレーやカレーうどんなど糖質中心の食事が多い
- ジュースやスポーツドリンクを日常的に飲んでいる
- 朝食を食べない、または菓子パンだけで済ませている
- 野菜やタンパク質が少なく、炭水化物に偏った食事が続いている
境界型(予備軍)でも要注意
境界型でも血管は傷ついている
血糖値やHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)がまだ糖尿病の診断基準に達していない「境界型」の段階でも、血管へのダメージ蓄積は始まっています。境界型であっても動脈硬化は進行しうることが報告されており、心筋梗塞に至るケースも少なくありません。数値が基準以下だからといって安心はできません。
保険診療での介入には限界がある
境界型に対しては、保険診療で使える治療の選択肢が限られています。栄養指導やHbA1cの毎月の測定も保険適用にはなりにくく、介入が手薄になりがちです。当院ではこうした境界型の方こそ、保険の枠に縛られず、診療の中で血糖値の急変動(血糖値スパイク)を抑えるためのアプローチを行っています。
2型糖尿病の進行を食い止める
膵臓を休ませるという考え方
高血糖が続くと膵臓は常にフル稼働を強いられ、やがてインスリンの分泌能力が落ちていきます。インスリンが正常に分泌されなくなると、食事や運動を改善しても効果が出にくくなり、さらなる高血糖を招く悪循環に陥ることがあります。これが「糖毒性」と呼ばれる状態です。
こうした場合は、まず薬で血糖値を一旦下げて膵臓を休ませ、機能が回復してから薬を減らしていく必要があります。
寛解を目指すことも可能
血糖値スパイクが起こらない食べ方を身につけ、適度な運動で筋肉量を維持することで、膵臓のインスリン分泌が回復して、薬なしで血糖値が正常な状態を保てる「寛解」に至る方もいます。当院の院長自身も、食べ方の改善を約1年間続けたことで血糖値スパイクが起こらなくなった経験があります。ただし、生活習慣が乱れると再び上がることもあるため、定期的な通院で状態を確認し続けることが大切です。
当院での2型糖尿病の診療
境界型の段階から介入する
神戸市灘区・JR六甲道のおおや内科 糖尿病・心臓クリニックでは、糖尿病と診断される前の境界型の段階からのケアに力を入れています。保険診療の枠にとらわれず、食べる順番や食材の選び方など、血糖値スパイクを抑えるための具体的な食事指導に時間をかけています。FreeStyleリブレで普段の血糖変動を確認しながら、患者様ご自身が「上がらない食べ方」を実感できるようにサポートいたします。
数値と血管の両面から判断する
当院ではHbA1cの数値だけではなく、頸動脈エコーで動脈硬化の進行度も確認したうえで治療方針を決めています。数値が高めでも血管がきれいであれば薬を増やさない判断をすることもあり、逆に数値が安定していても血管に変化があれば早めの対策を講じます。循環器内科の視点を持つ当院ならではのアプローチで、心筋梗塞や脳梗塞の予防まで見据えた管理を行っています。