ペットボトル症候群とは?

ペットボトル症候群(ソフトドリンクケトーシス)は、清涼飲料水などの甘い飲み物を大量に飲むことで、急激に高血糖を引き起こした状態です。糖尿病と診断されていない方にも起こりうる身近な健康障害であり、特に夏場や若い世代での発症が報告されています。
のどが渇いた際に飲む甘いジュースは格別です。しかし、その習慣が知らないうちに体を蝕んでいる可能性があります。清涼飲料水をよく飲む方は、一度その習慣を見直しましょう。
清涼飲料水に含まれる糖質の量
思っている以上に糖質が多い
500mlのペットボトル1本に含まれる砂糖の量は、コーラや果汁ジュースで約50~60g、スポーツドリンクで約20~30g、エナジードリンクで約50g前後にもなります。角砂糖に換算すると、1本で10~15個分に相当するものも珍しくありません。
健康的なイメージのあるスポーツドリンクや野菜ジュースにも、意外な量の糖質が含まれています。日常生活で水代わりに飲むのは控えましょう。
液体の糖質は血糖値を急上昇させやすい
当院の検証では、りんごジュースはりんごそのものと比べて血糖値がより急峻に上昇することが確認されています。液体は胃の通過時間が短く、糖分が一気に吸収されるため、同じ糖質量でも固形物より血糖値への影響が大きくなります。甘い飲み物を日常的に飲むことで、知らず知らずのうちに血糖値スパイクを繰り返していることになるのです。
ペットボトル症候群が起こる仕組み
甘い飲み物がつくる悪循環
糖質の多い飲み物を大量に摂取すると、血糖値が急上昇します。高血糖になると体は余分な糖を排出しようとして尿の量が増え、それに伴いのどが強く渇きます。そののどの渇きを再び甘い飲み物で補うと、さらに血糖値が上がるという悪循環に陥ります。
重症化すると緊急治療が必要
この悪循環が続くと、体がエネルギーとして糖をうまく使えなくなり、代わりに脂肪を分解し始めます。その過程で「ケトン体」という酸性の物質が血液中に増え、血液が酸性に傾く「ケトアシドーシス」という危険な状態を引き起こすことがあります。
ケトアシドーシスでは強い吐き気や腹痛、呼吸が深く速くなる、意識がもうろうとするといった症状が現れます。緊急性が高く、対応が遅れれば命に関わることもありますので、注意が必要です。
こんな症状があれば要注意
以下のような症状が続く場合は、ペットボトル症候群やそれに伴う高血糖を起こしている可能性があります。重症化すると緊急治療が必要になりますので、症状に気づいたらすぐに医療機関を受診してください。
- 水を飲んでも渇きが収まらない
- トイレの回数が異常に増えた
- 強い倦怠感やだるさが続く
- 吐き気や腹痛、意識障害がある(重症のサイン)
誰にでも起こりうるリスク
糖尿病と診断されていない方にも起こる
元々インスリンの分泌が少ない体質の方が、大量の糖質を飲み物から摂取することで発症するケースが多く報告されています。肥満の方だけではなく、痩せ型の方にも起こりうる点が特徴です。
若い方も注意が必要
ペットボトル症候群は10~30代の男性に多いとされています。部活動やスポーツの後にスポーツドリンクを大量に飲む、デスクワーク中にエナジードリンクを飲む、などが習慣化している方は、特にペットボトル症候群を起こすリスクが高いため、注意してください。
予防のために気をつけたいこと
飲み物の選び方を見直す
日常の水分補給は、水やお茶を基本にしましょう。スポーツドリンクは激しい運動時の水分・電解質の補給に限定して、普段の飲み物としては避けたほうが良いです。購入時に成分表示で糖質量を確認する習慣をつけておくと、無自覚な糖質の摂りすぎを防げます。
のどの渇きが続く場合は早めに受診を
のどの渇きや頻尿は、典型的な糖尿病の初期症状です。これらが続く場合は、「ただの水分不足」「暑さのせい」などと自己判断せず、一度血糖値を調べておくと安心です。
当院での診療
血糖値の状態をすぐに確認できる
神戸市灘区・JR六甲道のおおや内科 糖尿病・心臓クリニックでは、血糖値やHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)の迅速検査に対応しており、受診当日に結果をお伝えできます。のどの渇きや倦怠感などの原因を、すぐにお調べできます。
飲み物の習慣から見直す食事指導
当院では液体の糖質が血糖値に与える影響について、検証データをもとに具体的なアドバイスを行っています。FreeStyleリブレ(持続血糖モニタリング)を使って、普段の飲み物や食事がどの程度血糖値を動かしているかを「見える化」することも可能です。
飲み物の選び方一つで血糖値の動きは大きく変わります。患者様のご希望や生活背景を踏まえた、最適な改善案をご提案いたします。