心不全

心不全

糖尿病が招く心不全のリスク

糖尿病が招く心不全のリスク

心不全は、心臓のポンプ機能が低下して全身に十分な血液を送れなくなる状態です。糖尿病は血管だけではなく心臓の筋肉そのものにもダメージを与えることがあり、血管に問題がなくても心臓が弱る「隠れ心不全」を引き起こす場合があります。

当院は循環器内科と糖尿病内科の両方の専門性を持つクリニックとして、糖尿病による心臓への影響を早期に捉え、心不全を未然に防ぐことを重視しています。

心不全とは?

心臓が十分に働けなくなる状態

心不全は、心臓の筋肉が弱まったり硬くなったりすることで、全身に必要な量の血液を送り出せなくなる状態です。心臓のポンプ機能が低下した「状態」を指す言葉であり、虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)や弁膜症など、様々な疾患が進行することで起こります。

急性と慢性がある

急に症状が出る「急性心不全」と、徐々に心臓の機能が低下していく「慢性心不全」があります。

急性心不全

急性心不全は、主に心疾患の増悪により、急激に心機能が低下した状態です。急な息切れや呼吸困難が主な症状で、悪化すると血圧低下や意識障害などを起こすこともあります。発症後は緊急入院が必要になることが多いので、急な症状に気づいたらすぐに病院を受診してください。救急車(119番)を呼んでも構いません。

慢性心不全

慢性心不全は進行がゆっくりなため、「年のせいで体力が落ちた」と思い込んだまま気づかれないケースも多いです。特に糖尿病の方は慢性心不全に陥りやすいことがわかっており、早い段階から心臓の状態に気を配ることが重要です。

糖尿病がリスクを高める理由

血管が詰まっていなくても心臓が弱る

糖尿病は動脈硬化を通じて心臓の血管を傷つけるだけではなく、心臓の筋肉そのものにも悪影響を及ぼします。これは「糖尿病性心筋症」と呼ばれ、冠動脈に明らかな狭窄がなくても心臓のポンプ機能が低下する原因となります。

高血糖が心筋の細胞にダメージを与えて心臓が硬く動きにくくなるほか、血糖値の変動による酸化ストレスも心筋の機能低下に関わっていると考えられています。

「年のせい」が実は隠れ心不全の場合がある

息切れや疲れやすさの裏に、糖尿病による隠れ心不全が潜んでいるケースがあります。糖尿病の方は心不全の発症リスクが高いにもかかわらず、典型的な症状が出にくいことがあるため、定期的な心臓の検査で早めに兆候を捉えることが大切です。

糖尿病の方が気をつけること

こんな変化があれば注意

以下のような症状が続く場合は、心不全の可能性も考えられます。糖尿病の治療中で以下に該当するものがあれば、早めに当院へご相談ください。

  • 階段や坂道で以前より息が切れるようになった
  • 横になると息苦しく、上体を起こすと楽になる
  • 足のむくみがひどい、靴下の跡がくっきり残る
  • 急に体重が増えた(数日で2~3kg以上)
  • 夜間に何度もトイレに起きるようになった
  • 疲れやすさやだるさがなかなか取れない

当院での予防と管理

循環器専門医として心不全を早期に発見する

神戸市灘区・JR六甲道のおおや内科 糖尿病・心臓クリニックでは、心エコーで心臓の動きや弁の状態を詳細に評価しています。併せてBNP(心臓に負担がかかると上昇する血液マーカー)を測定することで、自覚症状が現れる前の段階で心不全の兆候を捉えることが可能です。

なお、息切れやむくみは肺の異常でも起こります。原因が心臓にあるのか肺にあるのかを専門的に見極められる点も、循環器内科を併設する当院の強みです。

血糖管理と心臓保護を両立する

糖尿病の治療薬であるSGLT2阻害薬は、血糖値を下げる効果に加えて心不全の抑制にも高い効果が報告されています。心不全のリスクがある患者様にはSGLT2阻害薬を積極的に活用して、血糖コントロールと心臓の保護を同時に進めています。

また、食べ方の工夫による血糖値スパイクの抑制や、血圧・脂質の管理も併せて行うことで、心臓への負担を総合的に減らすアプローチを取っています。すでに心不全と診断されている方も、治療を見直したい場合は、ご遠慮なくご相談ください。