食事の工夫で糖尿病を予防する

糖尿病の予防や改善のための土台となるのが、毎日の食事です。何を食べるかだけではなく、食べる順番やタイミングを少し意識するだけで、食後の血糖値の上がり方は大きく変わります。
当院では、院長自ら持続血糖モニタリングを装着して、食べ方と血糖値の関係を数多く検証してきました。その知見をもとに、患者様お一人おひとりに合った食事指導を行っています。
食べる順番で血糖値は変わる
野菜を先に食べる

野菜に含まれる食物繊維には、糖の吸収を緩やかにする働きがあります。さらに、野菜を先に食べることで、次に摂る食事の悪玉コレステロール(LDLコレステロール)の吸収を抑えることも期待されています。
ただし、当院の検証ではレタス80g程度では血糖値の抑制効果は得られず、葉物野菜250g以上で初めて効果が確認されました。血糖値の抑制効果には、野菜に含まれる食物繊維の量が深く関係しているからです。

ブロッコリーがおすすめ

毎食250gもの野菜を食べるのは現実的ではありません。食物繊維が豊富な食材であれば、少量でも効果が期待できます。そこでおすすめなのがブロッコリーです。ブロッコリーであれば、100g(約半株)でも血糖値の上昇が抑えられています。コンビニでも手に入り、電子レンジで手軽に調理できますので、ぜひ日々の食生活に取り入れてみてください。
プロテインファーストが効果的
GLP-1が血糖値の上昇を抑える


先にタンパク質を摂取することで、GLP-1という血糖値を下げるホルモンの分泌が促されます。当院の検証では、タンパク質(肉・魚・卵・大豆製品など)を先に摂る食べ方が、野菜単独よりも高い抑制効果を示しました。上述のベジファーストと合わせて、この「プロテインファースト」もおすすめです。
野菜とタンパク質を一緒に食べる

野菜を先に食べることで悪玉コレステロールの吸収が抑えられ、続けてタンパク質を摂ることでGLP-1の分泌が促されます。この両方の効果を同時に得るには、サラダにお肉や魚を添えたものを最初に食べると良いでしょう。
血糖値を抑える食材の選び方
納豆が特におすすめ


当院の検証で、先に食べた食材の中で最も血糖値の低下幅が大きかったのが納豆でした。植物性タンパク質であり発酵食品でもある納豆は、心血管リスクの低減効果でも注目されています。
身近な食材でも効果がある
卵、豆乳、ヨーグルト(無糖のもの)、リンゴ酢にも血糖値を抑える効果が確認されています。お弁当や外食でも、卵や魚などのタンパク質を一品加えるだけで違いが出ます。
おすすめメニュー
- 豚しゃぶサラダや蒸し鶏サラダなど、肉や魚が入ったサラダ
- 納豆や卵を添えた野菜の小鉢
- 具沢山の味噌汁やスープ(豆腐・鶏肉・野菜など)
- ブロッコリーやアボカドにツナや卵を合わせた一品
朝食が昼の血糖値も左右する
朝にタンパク質をしっかり摂ると、GLP-1の分泌が3~4時間続きます。その結果、昼食後の血糖値上昇まで穏やかになります。これは「セカンドミール効果」と呼ばれる現象です。
朝食の内容で大きく変わる




当院の検証では、魚定食ともち麦ご飯の朝食を摂った日は、昼にお寿司を食べても血糖値がほとんど上がりませんでした。一方、おにぎりとスムージーだけでは通常通り上昇しています。まずは和食なら納豆、洋食なら卵やヨーグルトを一品加えるところから始めてみてください。
液体の糖質と早食いに注意

液体は血糖値が急上昇しやすい
液体は胃の通過時間が短く、糖分が一気に吸収されます。当院の検証でも、りんごジュースはりんごそのものより血糖値が急峻に上昇しました。お茶漬けのように水分で流し込む食べ方も同様です。ジュースや清涼飲料水は控え、かきこむような食べ方も避けましょう。
早食いも血糖値スパイクを招く
早食いは血糖値スパイクの大きな原因となります。血糖値の急上昇に対して、インスリンの分泌が追いつかなくなるためです。
10分の三角食べでは血糖値スパイクが発生して、20分かけて順番に食べると抑えられたという研究報告があります。食事の開始から糖質を口にするまでは、10分以上あけましょう。これによりインスリンの分泌が整いやすくなり、血糖値スパイクを抑えられます。
当院の食事指導について
検証データに基づく具体的な指導
神戸市灘区・JR六甲道のおおや内科 糖尿病・心臓クリニックでは、院長が自ら行ってきた検証データに基づく食事指導を行っています。厳しい食事制限ではなく、食べる順番や食材の選び方など、無理なく続けられる工夫を患者様と一緒に考えていきます。
血糖変動の見える化と栄養サポート
リブレ(持続血糖モニタリング)で、ご自身の血糖変動を確認していただくことも可能です。併せて、血液検査でマグネシウムや亜鉛、ビタミンDなどの過不足も確認して、食事と栄養の両面からサポートいたします。