高血圧

高血圧

高血圧と糖尿病の関係

高血圧と糖尿病の関係

高血圧は、血管にかかる圧力が慢性的に高い状態です。糖尿病の方の約半数に高血圧が合併するとされており、両方を抱えた状態が続くと、心筋梗塞や脳梗塞、腎臓病のリスクが相乗的に高まります。どちらも自覚症状が乏しいため、気づかないうちに血管が傷ついていることが少なくありません。

高血圧とは?

血管に負担がかかり続ける状態

血圧が高い状態が続くと血管の壁に常に強い圧力がかかり、血管が硬く厚くなっていきます。これが動脈硬化の進行を早める大きな要因です。

高血圧の診断基準

高血圧は、医療機関で測定する「診察室血圧」と、ご自宅で測定する「家庭血圧」をもとに診断します。診断基準は以下のとおりです。

分類 診察室血圧 家庭血圧
収縮期血圧(上) 拡張期血圧(下) 収縮期血圧(上) 拡張期血圧(下)
正常血圧 120未満 かつ 80未満 115未満 かつ 75未満
正常高値血圧 120~129 かつ 80未満 115~124 かつ 75未満
高値血圧 130~139 かつ/または 80~89 125~134 かつ/または 75~84<
Ⅰ度高血圧 140~159 かつ/または 90~99 135~144 かつ/または 85~89
Ⅱ度高血圧 160~179 かつ/または 100~109 145~159 かつ/または 90~99
Ⅲ度高血圧 180以上 かつ/または 110以上 160以上 かつ/または 100以上

※表は左右にスクロールして確認することができます。

(単位:mmHg)

診察室血圧と家庭血圧の違い

緊張や環境の変化により、診察室では普段より血圧が高く出る方がいます(白衣高血圧)。逆に、診察室では正常なのにご家庭では高い「仮面高血圧」も存在します。特に仮面高血圧は、健診等で見逃されやすいにもかかわらず、心血管リスクが高いため、注意が必要です。当院では日頃の家庭血圧の記録も併せて確認して、より実態に即した治療判断を行っています。

高血圧の主な原因

塩分の摂りすぎ、肥満、運動不足、ストレス、喫煙、過度の飲酒、睡眠不足などの生活習慣が主な原因です。遺伝的に血圧が上がりやすい体質の方もおり、その方ではより発症リスクが高まります。

なお、高血圧の約90%は原因を一つに特定できない「本態性高血圧」で、生活習慣病としての高血圧はこれに該当します。しかし、ホルモンの異常や腎臓の病気が原因の「二次性高血圧」が隠れている場合もあるため、原因の見極めが重要です。

糖尿病との関連

インスリン抵抗性が血圧にも影響する

糖尿病の方に高血圧が多い背景には、共通の原因である「インスリン抵抗性」があります。インスリン抵抗性とは、血糖値を下げるホルモンであるインスリンが分泌されていても、体がそれにうまく反応できなくなっている状態です。この状態では血糖値が上がるだけではなく、体内でナトリウム(塩分)が排出されにくくなり、血管の柔軟性も低下して血圧が上がりやすくなります。

高血糖と高血圧が重なると血管ダメージが加速する

高血糖は血管の内壁を傷つけ、高血圧は傷ついた血管にさらに圧力をかけ続けます。この二重の負担によって動脈硬化の進行が加速して、心筋梗塞や脳梗塞のリスクが単独の場合よりも大幅に上がります。

実際に、糖尿病と高血圧を両方抱えている方の心血管リスクは、どちらか一方だけの場合と比べて数倍に上昇するとされています。糖尿病の治療を行いながら血圧も同時に管理していくことが、合併症を防ぐうえで欠かせません。

主な症状とリスク

ほとんど自覚症状がない

血圧が急上昇した場合や、非常に高くなった場合(180/110mmHg以上)などには、頭痛やめまい・ふらつきなどの症状が出ることがあります。しかし、初期にはほとんど自覚症状を伴いません。「血圧が高いと言われたけど、特に調子は悪くない」という理由で放置されやすいのですが、症状がない間にも血管へのダメージは着実に蓄積されていきます。

放置が招く深刻な合併症

高血圧を放置すると、心筋梗塞、脳梗塞、心不全、腎臓病などのリスクが高まります。特に糖尿病を合併している場合は、腎臓の細い血管が傷つきやすく、糖尿病腎症の進行が早まる可能性もあります。血圧と血糖値のどちらか一方だけを管理しても、もう一方が放置されていればリスクは十分に下がりません。

当院での診療

家庭血圧の測定を重視する

神戸市灘区・JR六甲道のおおや内科 糖尿病・心臓クリニックでは、診察室での血圧だけではなく、ご家庭での血圧測定を重視しています。診察室では正常でもご家庭で高い「仮面高血圧」や、その逆の「白衣高血圧」を見極めることで、より正確な治療判断につなげています。

血圧と血糖を総合的に管理する

当院では血圧管理と血糖管理を同時に進めることで、心血管リスクを効率よく下げることを目指しています。食事指導では塩分の見直しに加え、食べる順番の工夫による血糖値スパイクの抑制も併せてアドバイスしています。同時に頸動脈エコーで血管の実態を確認して、薬の要否を判断しています。

なお、治療を行っても血圧が下がりにくい場合は、睡眠時無呼吸症候群も考えられます。様々な可能性を考慮して、必要に応じて検査・治療を行います。